
(もっとロータリートランペットを知ろう!)
初級者編
ロータリートランペットって何?
ロータリートランペットをなぜ使うの?
ロータリートランペットの持ち方は?
B♭,C管の違いは何?
ロータリートランペットの手入れの仕方は?
B♭管、C管のどちらを先に手に入れるべきですか?
中級者編
ロータリートランペットはどんな曲で使うの?
オクターブ・キィ、トリガーって何?
楽器を選定する意味は?
ロータリートランペット用のマウスピースの選び方は?(2006年2月改訂)
ロータリートランペットにはどのようなメーカーごとの特徴があるの?
B管、C管で同じタイプを選ぶべきですか、それとも違うタイプを選ぶべきですか?
ピストントランペットからの持ち替えを楽にするには?
タンギングはロータリートランペットとピストンで違いがありますか?
上級者編
B♭,C管はどのように使い分ければいいの?
D管、Es管、ピッコロトランペットのロータリーとピストンとの違いは何?
ミュートの選択肢について
初級者編
皆さんにとってトランペットは何かおわかりだと思いますが、ロータリートランペットについではどうでしょうか?皆さんが思うトランペットとロータリートランペットを写真で見てみましょう!

これが普通、みなさんが思うトランペット

これがロータリートランペット
写真でも分かるとおり形はずいぶん違います。一番の違いは音の高さを変えるためにボタンを押すことによって動く部分です。上側はピストンバルブが、下側はロータリーバルブが動くことによって、自由に音の高さを変えることが出来ます。上の楽器共に管の長さは同じ長さです。
テレビでオーケストラの映像を見ていてトランペット奏者が楽器を横にして吹いているのを見たことがありますか?それは上の楽器を横にして吹いているのではなく、下側のロータリートランペットを吹いていたんですね。
では形の違いは分かっていただけたと思いますが、その他の違いは何でしょうか?
楽器の長さは同じと先ほど書きましたが、ベル(朝顔の部分)が少しロータリートランペットが大きいのが分かりますか?そのため音色が柔らかく、響きが豊かです。それに比べて普通のトランペットは明るく華やかな音色が特徴といえます。
ロータリートランペットはその音色が活かされるときに使われる楽器です。日本の皆さんにはまだ馴染みがない方も多いと思います。
具体的にどのようなときに使われるかは中級者編でお話しましょう。
上記でピストントランペットとロータリートランペットとを説明しましたがなぜロータリートランペットを使うのでしょうか?ピストントランペットを持っている人にはわざわざ同じ長さの管を持つロータリートランペットを持つ必要ないと思う方もいらっしゃることと思います。
この質問はなぜ、同じ長さの管を持つフリューゲルホルンやコルネットと持ち替えなければいけないのか?という質問と同じかもしれません。フリューゲルホルンやコルネットを持ち替えるのはなぜでしょうか?フリューゲルホルンは非常に柔らかい音が魅力ですし、コルネットのほうがより早いパッセージを吹きやすいなど楽器ごとにすばらしい特徴があります。
多くの方々がロータリートランペットはドイツの作曲家の作品でその他の作曲家の作品はピストンで演奏するものだと思っていらっしゃるのではないでしょうか?この考え方は本当に正しいのでしょうか?ドイツの作曲家ベートーヴェンの作品をロータリーで吹くことが本当に正しいことなのでしょうか?当時はナチュラルトランペットで演奏していてピストンもロータリーも関係ない時代です。作曲家がイメージした音を本当に求めるのであればどの楽器を使うことが正しい・間違いなどとは言えないと思います。
ですから同じトランペットですから柔軟に曲や状況にあわせて柔軟にピストン・ロータリーを使い分けることが演奏の幅を広げることになるのではないでしょうか?ピストンとロータリーのどちらが優れているかなど関係ありません。どちらもトランペットとしての長所・短所があるのですから長所が活かせるように楽器を使い分けていただきたいと思います。また、ソロ・アンサンブル・吹奏楽などオーケストラ以外でも新たな響きが作って見てはいかがでしょうか?
日本では歴史的な流れもあってピストントランペットに関しては情報・楽器ともに豊富に揃っています。残念ながらロータリートランペットがかなり普及してきたとは言え比較してみればまだまだな状況です。楽器の情報が少ないことも事実ですが、皆さんがこのページを読んで下さり少しでも理解が深まっていただければ幸いです。
ロータリートランペットを持っていると左手の指が痛いというのはどうしたらよいか?という質問をよく受けます。楽器の持ち方について説明しましょう。

基本的な持ち方の代表例を2つ上に並べました。左側はウィーンの多くのトランペット奏者がしています。右側はドイツの奏者に多い持ち方です。どちらが良いかは個人好みですから気にしなくても大丈夫です。
上の両方とも指かけにかけている、薬指もしくは小指が痛くなる方が多いのです。時に日本人は手が外国人に比べ小さいですから、他に良い方法はないでしょうか?

まず、上の2枚の写真は薬指を指かけにかけたもち方です。見ていただいたら分かりますが親指を第3トリガーにかけないようにして持ちます。私はいつもこの持ち方で必要なときのみ親指を伸ばして第3トリガーを使います。

上の2枚は小指をかけた状態での持ち方です。
ロータリートランペットのマイスター(Meister 国家資格を持った製作者)は普通の人よりもさらに手が大きいのであまりこの私たちのつらさが残念ながら分からないようです。私が個人的に知っているマイスターにはこのことを伝えていますから、将来的には改善されるかもしれません。
上に説明しましたが指の痛みが全く無くなるかどうかは個人差もあります。慣れる事も大事ですので、より多くの機会でロータリートランペットを使って欲しいものです。
次に右手の状態です。

右手の指の先で押しましょう!よくピストントランペットで指のおなかで押す人を見かけますが、ロータリートランペットではその指の押し方ではすばやくロータリーを動かすことが出来ません。また、親指は右の写真のようにするほうが効率よく指が動かせます。
楽器の持ち方は姿勢にも影響が出てきますから、正しくないと演奏にも影響が出ます。最初は慣れないかもしれませんが正しい持ち方を心がけて下さい。
上の写真の左側がB♭管(ドイツ語ではB(ヴェー)管と発音します)で、右側がC管(ドイツ語ではC(ツェー)管と発音します)です。写真の都合で微妙に大きさの設定が異なっていますが、ほぼ現物を見てもこの上の写真で感じる大きさの違いがあります。B♭管、C管の違いはロータリートランペット・ピストントランペットでも同じことです。まずB♭管とはいったいどのようなものでしょうか。
楽器をすでに持っている方のほとんどが知らないうちにこのB♭管を最初に吹いています。このB♭管をトランペットの運指法でド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドと吹くと、ピアノで弾くド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドとは違い半音二つ分低くシ♭・ド・レ・ミ♭・ファ・ソ・ラ・シ♭と同じ音の高さになっています。このような楽器を移調楽器と言います。ブラスバンドを経験した方はチューニングしたときにすでに理解している方も多いと思います。”B♭(シの♭)”でチューニングするのにトランペットは”ド”で合わせたことを不思議に感じた経験があったと思います。
それに対してC管は、トランペットの運指法でド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドと吹くとピアノで弾くド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドとが同じです。上の写真でもわかるようにB管はC管より音が低くなるため楽器全体の長さも少し長めになります。
なぜB♭管を初心者がもつことが多いかといえば、現代の主なトランペットの中では一番管が長く基本を学ぶのに最適だからです。その他の理由として昔は今のB♭管よりも長い楽器がありましたが、歴史の流れの中で安定した演奏が可能だったB♭管が主流になっていったこと、昔の楽器を作る技術では良いC管がB♭管に比べてはるかに少なかったこと、管楽器の性質として♭系の楽器の音色が豊かで安定していることなど理由はこのほかにもたくさん上げられます。今は優れたC管が多くありますが、B♭管トランペットはやはり中心的な存在です。
B♭管の説明のところで移調楽器と書きましたがトランペットはB♭管、C管の他にD管、E♭管、E管、F管、G管、A管などがあります。これらの楽器を具体的にどのように使い分けるかは中級編でお話したいと思います。
楽器をより長く、良い状態で保ちたい気持ちは皆さん誰もが同じだと思います。ロータリートランペットの手入れについてご説明したいと思います。まず、楽器の中はどのように掃除したらよいでしょうか?

これは、ちょっと分かりにくいのですがシャワーヘッドを外して楽器の中を洗うための道具です。

これはシャワーヘッドを外して実際に付けてみた状態です。

このような形で楽器内をお湯、もしくは水にて洗浄することが可能です。
※ いきなり水道を開いて使用すると水圧によりスライドが飛ぶ恐れがありますので気をつけてお使いください
もちろんこの洗い方だけでは不十分です。定期的(2,3ヶ月に一度)には楽器用のブラシで磨くことが必要です。楽器を洗ったあとですが、水気をよく切り、クロスやセーム革で汚れなどをきれいにふき取ります。スライドにグリスを塗ることは皆さんよくご存知だと思いますが、オイルをどこにどのタイプのオイルを塗るかを説明したいと思います。

まず裏のふたを開けてみて下さい。真ん中に少し出っ張ったところがロターリーの回転する部分です。その部分に重いオイル(粘り気のあるオイル、スピンドルオイルやキィオイルなどを指します。)を1,2滴写真のような形で差します。この状態でオイルが外側にはみ出さないようにしてロータリーを回転させ、オイルをなじませます。他のロータリーにも同じようにオイルを差します。

写真でも少し分かりにくいのですが、隙間に重いオイルを差します。ロータリーの可動しているところに差しましょう。

その他可動する連結部分に少しずつ重いオイルを差します。この部分のオイルを指す方が非常に少ないため、楽器の状態が早く悪くなってしまっていることが多いようです。よく“カチャカチャ音がする”との相談受けますが、可動部分のオイル不足が主な原因です。また、重いオイルを差す部分に普通のオイル(軽めのバルブ・ロータリーバルブオイル)を指す方がいますが、これも早く磨耗する原因になりますので気をつけて下さい。ただ、重いオイルは多く差しすぎると動きが重くなる原因にもなります。毎日使う方なら2、3週間、たまに使う場合は1ヶ月を目安にして下さい。
軽めのオイルはマウスパイプやスライドなどから普通にロータリー内部に差します。個人的意見ではありますが、ケチらずにしっかり差したほうが楽器のためには良いです。
店長お奨めの軽いオイル La Tromba T2
重いオイル Lechner製 Hetman製
スライドグリス La Tromba
スライドオイル Yamaha製 (第3トリガー付きのスライドにはオイルのほうが良いです。)
最近、この質問が多く寄せられています。B♭管、C管両方手に入れたいものですが、やはり楽器自体は高価なものですから2本すぐに揃えるわけことは難しいものです。とりあえず最初はどちらを買うべきですか?と言う問題は切実な問題と思われます。 この質問が私のところに寄せられてまずお聞きするのは、どのような活動を今現時されているか、また将来どのような活動を行いたいかをお聞きします。オーケストラなのか吹奏楽なのか?他にブラスアンサンブルや完全にソロのためにと言う方もいらっしゃいます。
B♭管を薦める場合は、吹奏楽、ブラスアンサンブル、ソロ、オーケストラで主に2番を担当することが多い方です。吹奏楽、ブラスアンサンブルではほとんどの楽譜がB♭譜でC管を持つ場合は移調する読み替えが必要になってきます。オーケストラを経験されている方はお分かりになると思うのですが、意外とこの読み替えが大変です。特に動きが多い吹奏楽・アンサンブルではかなりトレーニングしなければすぐには音を読み替えられません。
また、普段からピストンは吹かずにロータリーを常に吹きたいと考えていらっしゃる方はB♭管を持っていただきたいと思います。基本練習などはやはりB♭管でトレーニングすることは重要です。
C管を薦める方はオーケストラで1番を担当することが多い方です。2番を担当する方もモーツァルトやハイドンなどの作品を演奏することが多い方はB♭管を無理に先に持つ必要はありません。ただ、下の実音F、Eが出てくる曲のときにC管では出せない音なので問題が起きてきます。ただ、実際のプロの現場ではほとんどがC管を使っています。中級編でその理由や逆にB管をどのような場面で使うかをご説明したいと思います。
各々の活動によってアドバイスも変わりますが基本的には上に述べた理由を中心にご連絡しています。自分の場合どちらがよいか悩んでいらっしゃる方はメールにて遠慮なくご質問下さい。
中級者編
中級者編としましたが、みなさんはどのような曲を思い浮かべますか?少し詳しい方ならば、”オーケストラのドイツ・ウィーンもの”なんて答えが聞こえてきそうです。初級者編から続けて呼んでいただいている方には”ドイツ・ウィーンものって?”と思っていらっしゃる方が多いのではないでしょうか?そのあたりから説明しましょう。
”ドイツ・ウィーンもの”という意味はドイツやウィーンで活躍した作曲の作品を表します。分かりやすいのは”ジャジャジャーン”で有名なベートーヴェンの交響曲第5番 運命 ですね。ハイドン・モーツァルト・ベートーヴェンの古典派の作曲家にはじまり、シューベルト・シューマンなどのロマン派、ワーグナー・ブルックナー・マーラー・R.シュトラウス・ヒンデミットなどの後期ロマン派から近代にかけての作曲家、今上げるとほとんど有名な作曲家の作品はロータリートランペットで吹くほうが良い曲とされています。ヨハン・シュトラウスなどのワルツ、ポルカの作曲家も忘れてはいけませんね!もちろん、人の好みもありますから一概に決め付けるわけにはいきませんが多数意見であることには間違いありません。
最初に”オーケストラのドイツ・ウィーンもの”と述べましたが、私個人の意見としてはオーケストラ以外でも大いに使うべきだと思います。近年、吹奏楽の世界でもヒンデミットの吹奏楽オリジナル作品や、R.シュトラウスの作品をアレンジして演奏されています。そのような作品にも使われるべきだと思いますし、ソロやアンサンブルでもドイツの作曲家の作品などはロータリートランペットを大いに使うべきだと考えます。後期ロマン派以降の作曲家が活動していた時代の彼らの周りにあったトランペットの音はロータリートランペットであったはずです。ソロや吹奏楽はピストントランペットで吹くという考え方が主流な今、個性や他の団体との違いを出すためにも積極的に使うべきだと考えます。
実際に元ウィーン・フィル首席奏者のH.ガンシュ氏などはソロ・アンサンブルなどで彼の仲間たちとロータリートランペットを使い、素晴らしいコンサート・演奏を聞かせてくれています。CDもありますし、毎年来日していますので機会があれば是非その違いを聞いていただきたいですね。
実際に具体的な作品を上げていると切りがありませんからもし、この文章を読んでくださった方々で自分が演奏する曲についてどちらの楽器を選択するのが良いのか悩んでいる方はご連絡下さい。お役に立てる情報をお伝えできると思います。
オクターブ・キィはロータリートランペットのチューニング管についているキィのことを指します。ドイツ語ではオクターブクラッぺと言います。(Klappeは”蓋”という意味もあります。)

上の写真では全部で4本キィがついているのがお分かりですか?実際にはどんな役目があるのでしょうか?
オクターブ・キィは書いて字のごとくオクターブ高い音をより出しやすくするためのものです。キィを押しながら決まった音を出すと外れにくくなります。高い音をより正確に外さず吹くことが出来、ピアノなどの小さい音量で吹くときに大変役に立ちます。
上のオクターブ・キィを説明します。
0番はHi-H キィ、1番はHi-C キィ、2番はHi-A キィ、3番はHi-Bキィ(ウォーターキィ)です。j実際にどの音で使うかは下記のPDFファイルを開いて下さい。
オクターブ・キィ運指表 Octavekeyfingering.pdf へのリンク
次にトリガーについてです。トリガーはロータリートランペットだけではなく、ピストントランペットにも付いています。ドイツ語ではドゥルッカーと言います。(Drückerは元来”押すもの”と言う意味で、はば広く使われる言葉です。)

上の写真の青い矢印がトリガーです。トリガーは音程を補正するために使われます。左側の矢印を押すと右の矢印の方向に第3スライドが動いて伸び、音程を低くすることが出来ます。五線すぐ下のCis,Dの音程を正しくすること出来ます。
上記の楽器はLechner製のもので第3スライドのトリガーだけですが、メーカーによっては第1スライドのトリガー、第1,3スライドの両方のトリガーを付ける事も可能です。
他店と当店の違いは楽器の選定にあります。なぜ、楽器の選定をしなければいけないのでしょうか?
ほとんどの楽器には手作りの部分があります。ロータリートランペットの多くはこの手作りの部分が非常に多く、そのために同じ設計どおりに作っても僅かな差が生じてしまいます。これは、手作り(ハンドメイド)では必ず起きてしまうことなのですが、その僅かな違いが楽器の良し悪しとなって出てしまいます。マイスター自身も同じように楽器を製作していても、生まれる個体差は理解しています。ある意味では人間が作っているわけですから当たり前のことかもしれません。
また、個人の好みの違いによっても選定は変わってきます。軽めな楽器を好む人がいれば、重めな楽器を好む人がいるのは当たり前です。楽器の知識に詳しい奏者には、その違いを理解できますから初めて楽器を買う方にはそのような専門家に楽器の選定を依頼するのが間違いありません。楽器だけではなく、マウスピースとの相性も大事になってきます。
最近の楽器は年々優れてきてはいますが、やはり選定できるほうが楽器を購入する方には安心なのではないでしょうか?
ジャパンロータリートランペットセンターでは、店長自身がマイスターの下で選定・調整した楽器を皆様にお届けいたします。メーカーによってはヨーロッパのプレーヤーに選定を依頼することも可能です。高価な楽器の購入で間違いのないようにお手伝いすることをお約束いたします。
今まで一番多く頂いたご質問がマウスピースに関するものでした。当店でも2005年2月の訪欧により多くの情報や、マウスピースが集まりましたのでロータリートランペット用のマウスピース選びについてご説明したいと思います。
当店が扱っているマウスピースは今現在(2006年2月8日)5社です。各社それぞれ特徴がありますからまずその特徴についてご説明します。
@ Breslmair 当店が一番バリエーションを揃えているメーカーで一体型と3パーツタイプのものがある。一体型のものは G1,G2,G3を代表とするマウスピースで近年は、新モデル・バリエーションが増えてきている。3パーツタイプは、文字通り3パーツ(リム、カップ、スロート)に分かれ、様々な状況(例えば、B管、C管によってスロートだけを変えて音程や吹奏感を良くする等)に対応しやすい。
A W.Chr.Schmidt 旧東ドイツにあってロータリートランペット用のマウスピースを中心に何代にもわたって作り続けているメーカー。SolistモデルとGermanyMasterモデルの2種類を当店では取り扱っている。他にFAHモデル(Heckel用のマウスピース)もあるが当店では今現在取り扱っていない。GermanyMasterモデルは日本人になじみの深いBach社のマウスピースのリムを基本として作られており、ピストントランペットの持ち替えが多い方には使いやすい。
B Schantl 日本では残念ながらまだ無名のメーカー。オーストリア、シュタイヤーマルクト州にあり一体型とBreslmairの3パーツタイプのリムを選択できる2種類がある。私自身が使っているお薦めのメーカー。
C Lechner ピッコロトランペット用のものを当店では紹介している。B,C管用などはLechner本人はBreslmairを薦めているためにLechnerオリジナルのマウスピースはピッコロ用の1種類だけ。
D Ankerl ウィーンに工房を構え、ウィンナホルンで有名。昔から金管楽器の修理や改造などを中心に現在まで幅広く対応している。AnkerlオリジナルのマウスピースはModell
Prof.Hollerのみだが、往年のHeckel,WindischなどのDresdenタイプの楽器に是非、試していただきたいマウスピース。予約製作でのみ対応しているため非常に数が少ない。
実際のマウスピース選びについてですが、まずリムは通常使っているマウスピースのリムに同じもしくは近いものを選択します。出来る限りサイズが同じなものが良く、大きすぎるものや小さすぎるものは調子を崩す原因になります。
気をつけなければいけないことがあります。各社マウスピースのカタログにはサイズが記されていますが、この数値は各社がそれぞれ独自に計測したもので他社の数値と比較することができません。当店で日本語訳したカタログの数値も各社が発表している数値そのままを記載していますからできれば、Bach社のマウスピースとの比較を参考にしてみてください。
リムが決まったらお持ちの楽器に合わせてカップ、スロート(バックボア)を選んでいきます。当店で扱っている楽器との相性を例として上げておきます。
| メーカー | カップ | スロート | その他 |
|---|---|---|---|
| Weber C管 | Breslmair 3パーツタイプ ST、G2 | ST,1,W1 | Schantl T7,T7G Breslmair Modell Weber |
| Weber B管 | Breslmair 3パーツタイプ ST、G2 | ST,1 | Schantl T6,T6G,T4,T4G |
| Lechner C管 | Breslmair G2、G2L、G2H | W1,1,2,G | Schantl T7,T7G,T5,T5G Breslmair Modell Lechner |
| Lechner B管 | Breslmair G1,G2 | 1,2 | Breslmair Modell Lechner Schantl T4,T4G |
| Schagerl B,C管 | Breslmair GE48,G1,G2 | W1,1,2 | Breslmair Modell Schagerl |
| Kühn B,C管 | Breslmair G1,G2 Schmidt GermanyMaster |
2,3,B (Bach-Yamhaシャンク) |
Breslmair Modell Kühn |
| Willenberg B,C管 | Breslmair G2,G2A,G3 Schmidt GermanyMaster ---C(168C,170Cなど) |
2,G,3,P (Bach-Yamhaシャンク) |
Breslmair Modell Willenberg |
※ 2006年2月8日改訂
上記はあくまでも参考例として選択肢を出しています。楽器の個体差や奏者の好みで変化するのは当たり前ですから実際に試すことが大切です。店長私個人の意見ではありますが、音程が良いもの、取りやすいものを選ぶべきです。チェックしなければいけない音程は開放での音程バランスです。
@ 真ん中のソが低いもの
A 下のドが不安定なもの
B 真ん中のドが高いもの
C 5線第4間のミが極端に低いもの
以上の4項目で問題が無いものを選択します。その他の音程が良いものを選ぶのも当然のことですが、すべての音程が良い楽器、マウスピースは無いものと考えてください。楽器も人間が作っていますから完璧なものはありません。
ロータリートランペットにはどのようなメーカーごとの特徴があるの?
当店では2004年9月の開店以来、少しずつではありますが各メーカーごとにページを設け、楽器をご紹介してきました。また“ウィーンタイプを中心としたロータリートランペットショップ”としていますが、そのほかにどのようなタイプがあるかをここでご紹介して生きたいと思います。
大まかに分けますとウィーンタイプ、ドレスデン(ヘッケル)タイプ、ケルン(モンケ、ベルリン)タイプの3種類あります。
@ ウィーンタイプ
もともとはドレスデンタイプから分かれたもので今現在、世界で一番主流のタイプ。ウィーンフィルは昔、ドレスデンに工房があったヘッケル社にウィーンフィル用としてクランツが無いものを作らせた。ベルがあまり大きくなく(128mmのものが多い)クランツ(響き止め)がないのはこの流れを引き継いでいるからである。音色は明るく、軽やかなものが多い。また、オクターブキィが最初に付けられたのはこのウィーンタイプである。
このタイプの楽器には比較的カップ容量が大きく、スロートも太いマウスピースが楽器の特徴を最大限に活かす。代表的なメーカーはLechner、Schagerl、Weber。

ウィーンタイプ(Weber C管)
A ドレスデンタイプ
ウィーンタイプでも説明したが、基本はヘッケル社が長い間ドレスデン宮廷歌劇場管弦楽団をはじめとするオーケストラ奏者の要望に答え音色のやわらかい楽器を作り、クランツが付いているものが多い。ウィーンタイプ同様ベルが小さいが音色がよりやわらかく、ウィーンタイプが明るい音色とは違う。代表的なメーカー F.A.Heckel、Kühn(ドレスデンタイプ)、Willenberg(ヘッケルモデル)。

ドレスデンタイプ(Windisch C管)
B ケルンタイプ
これはケルンに工房を構えるモンケ社が有名でウィーン・ドレスデンタイプに比べベルの大きさが特徴。昔からドイツではモンケ社のB管を使うことが伝統であり、ベルリンフィルなどではオーディションでモンケ社のB管が指定されるほどであった。そのためこのタイプはモンケタイプ、ベルリンタイプとも呼ばれる。
音色はベルが大きいこともあり、太く重厚な音色が特徴。近年ではKühn、Willenberg、Scherzer、Peter社などがこの大きなベルを持つ楽器をケルンタイプとして作っている。代表的なメーカー Monke、Kühn(ベルリンタイプ)、Willenberg(ケルンモデル)。

ケルンタイプ(Kühn C管)
これらの3種類がある中、当店はウィーンタイプを中心にと表現していますが、様々なロータリートランペットをご紹介していきたいと思います。また、価格によってそれぞれ3種類が選べるようにも今後、努力していきたいと考えています。
JRTC取り扱い楽器メーカー
値段帯による分類表
| タイプ | 値段帯 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10万円台 | 20万円台 | 30万円台 | 40万円台 | 50万円台 | 60万円台 | 70万円台 | |
| ウィーンタイプ | Lechner Schagerl |
||||||
| Weber | |||||||
| Kürner | |||||||
| ドレスデンタイプ | Kühn | ||||||
| Willenberg | |||||||
| モンケタイプ | Kühn | ||||||
| Willenberg | |||||||
| その他タイプ | Curia | ||||||
| Cerveny | |||||||
B管、C管で同じタイプを選ぶべきですか、
それとも違うタイプを選ぶべきですか?
2004年9月の開店から多くの方にこのご質問を受けました。上級編で取り扱っても良い課題であると思います。楽器の選択の意味からピストン、ロータリートランペットどちらにも当てはまる要素を含んだご質問です。このコーナーでは当店の方針にであるロータリートランペットの普及という観点からお話したいと思います。
ロータリートランペットの普及の現状を見て、多くの方はまずC管をお持ちです。オーケストラを主体に使われていることから当然だと思いますが、楽器選びで私が一番大事に思うのはピストンからの持ち替えがスムーズな点ではないでしょうか?現状としてピストントランペットとの持ち替えの中でロータリーB,C管を考えるのであればピストントランペットの吹奏感が近いものを選ぶ事が大事で、タイプは問題にするべきではないと思います。出来る限りピストントランペットで使用しているマウスピースから楽器の吹奏感まで共通のものを選択すべきだと思います。あくまでもタイプやメーカーを揃えるのではなくご自分に合ったものを探してみてください。
ロータリートランペットを主に演奏することに重点を置くならば、同じモデルを選ぶべきだと思います。マウスピースの選択、音色感、吹奏感、音程のクセなどから同じモデルがより柔軟に演奏に対応できます。ヨーロッパのプレーヤーが違うタイプで演奏していることもありますが、それは現実としてプロの選択肢です。マイスターは様々な楽器を奏者に応じて製作している点も忘れてはいけない点です。Lechner、Schagerl、Weberなどがウィーンタイプを中心に製作していますが、奏者に応じてモンケタイプやドレスデンタイプも製作していることは事実です。
マウスピースなどの選択肢から複雑に思われるかもしれませんが、自分に合ったマウスピースは何か楽器は何かを純粋に、また柔軟に選んでいただきたいと思います。
皆さんはピストントランペットだけを吹いている方がほとんどでないでしょうか?日本ではやはり圧倒的にピストントランペットが普及していますからロータリートランペットとの持ち替えは非常に大事なポイントです。
持ち替えに関する質問は非常に多く、それに対する答えも条件によってそれぞれ異なってきます。皆さんに持ち替えをどのように対処すべきか、今までの研究・経験から二通りの対処法を紹介します。
対処@ マウスピースのリムを出来るだけ同じ(似た)ものにする。
これは私が一番薦めている方法で、リムはピストン・ロータリーに関係なく同じものにします。リムが同じであれば、後はピストン・ロータリーそれぞれに合わせたアンダーパーツを選びます。音程の良い組み合わせで自分にとって一番吹奏感が似ているものが、持ち替えにとって大事です。このときカップの深さなどはあまり比較せず、演奏した上での感覚で、持ち替えやすいものを選ぶことも大事です。人それぞれ感じ方が違いますから自分の感じ方を大事にしていただきたいと思います。
対処A 今使っているピストン用のマウスピースで持ち替えやすい楽器を選択する。
出来ればピストン用、ロータリー用と分けたくない方も多いと思います。当店でも扱っていますR.Kühn社などはMeister自身がピストン用のマウスピース(Bach
1 1/2Cなど)で演奏できるように製作していると言っています。一部のメーカーでしかありませんが、可能な選択肢です。R.Kühn社以外にはWillenberg社のケルンモデルもお薦めしています。
私個人の意見としてはバックボアが少し広いもの(Bach社のバックボアナンバー7番・24番など)を使っていただきたいと思います。
店長から
ピストントランペットでもB管とEs管など管長が違う楽器では吹奏感が変わるのと同じで楽器本体が変わるのですから、ピストンとロータリーを全く同じように吹くことは結論から言えば無理だと思います。ですが、楽器やマウスピースの選択に工夫を凝らすことによってより持ち替えが非常に楽になることも事実です。
私自身は通常Breslmair Vを使っており、ピストントランペットの時にはBach社のアンダーパーツ(カップ・スロート 1 1/2B)にBreslmair VをBach社のネジにあわせて作ったリムをつけて演奏しています。特注品ですが、Bach社のアンダーパーツをお持ちであれば、違うBreslmairの型番のリムでも可能です。この点はメールにてお問い合わせ下さい。また、マウスピース個別クリニックでもご相談を承ります。
Bach社など他社のリムをコピーし、Breslmairのネジに合わせることも可能です。
上記の対処法だけではなく、様々な方法がまだまだあると思います。今後も研究を重ねてさらに対処法をご紹介していきたいと思います。
タンギングはロータリートランペットとピストンで違いがありますか?
上記の持ち替えの点とタンギング(アタック)の点がやはりみなさんには難しく考えてしまうのしょうか、楽器の違いによるタンギングについてのお問合せを頻繁に受けています。
私自身は、ピストンとロータリーによってタンギングを意識的に変えることはしていません。どちらかといえば自分が出した音に対して自動的にタンギング(アタック)を変えているのだと感じています。ピストンとロータリーとでアタックの違いを感じている方の多くは、自分が出した音を判断するのではなく舌の動作が同じ状態、つまり舌の感覚だけで演奏しているのではないかと思います。それ以外には、演奏する曲目がフランスの作曲家とドイツの作曲家でも特徴が違いますから、音楽が違えばその音楽に合ったアタックをしなければいけないことは皆さんお分かりだと思います。
これはピッコロトランペットと普通のB管(ピストン、ロータリーの問題ではなく)でも当てはまることです。例えば実音で第3線のBを出したとします。同じ音でもピッコロトランペットでは低音域を吹く感覚ですし、B管であれば中音域を吹く感覚です。マウスピースも違えば、スロートの太さ、楽器のボアサイズも違うのですから当たり前のことです。息の流れがすべて同じではありませんから舌の動きが同じ音程を吹く場合でも変わってきます。ロータリーとピストンでもボアサイズが異なる点などから、ピッコロトランペットと普通のB管と同じ状況がうまれてくるわけです。
では実際にどのように対応、練習すればよいのでしょうか?いくら音を聞いてアタックを自動的に変えろと言われてもすぐに対応できるわけではありません。まず、ピストンをメインに吹いている方は、普段の音出しなどの基礎練習の部分をロータリーで練習するなど楽器に慣れることが大事です。私は特殊管という言葉が嫌いなのですが、ピストン、ロータリーそれぞれを別の楽器のように捉えるのではなく、同じB管として練習してみてください。自分が手にしている楽器を良い音程でしっかり鳴らすことがまず第一段階です。これはB管コルネットやフリューゲルホルンでも同じことが言えます。
慣れてきたところで、ピストンからロータリーにまたその逆にも持ち替えてみましょう!よく自分の音を聴いて、鳴りムラやアタックが強すぎたり、弱すぎたりしないように自分の音を判断してください。他の人に聞いて判断してもらうことも大事です。一緒に演奏しているメンバーにも意見を求めてみると新たな発見があると思います。
実際の演奏会で、ピッコロトランペット、C管、B管などを持ち替えることがあるのと同じ様にロータリーとピストンとを演奏する曲に合わせてうまく使い分けていただきたいと思います。同じトランペットですからね!
上級者編
上級者編として取り上げるにふさわしい質問なのですが、非常に難しい質問でもあります。難しい理由として、まずドイツ・ウィーンで異なること。また、個人の考えでどのようにも解釈されてしまうことが上げられます。 私自身はウィーンで勉強してきましたので、ウィーンで実際にはどのように使い分けられているかをお話したいと思います。ドイツでは伝統的にB管のみという考え方の奏者も多いですが、それではこの質問の答えになりませんから、ご理解いただきたいと思います。
まず、ウィーンのTp奏者がオーケストラの中で使っている楽器はC管です。逆に言えばどのようなときにB管を使うかをお話した方が早いと思います。私の留学時代にB管で必ず演奏するように義務付けられたのは、まずエチュード・メソード。これは上級者の皆さんにはご理解いただけると思います。
ではオーケストラの中でどのように使い分けるのでしょうか?
以前にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団元首席奏者のW.Singer氏にお聞きしたところ、C管で出ない実音の下のF,Eそしてカルメンの前奏曲で出てくる下のEsなどはB管で演奏するがそれ以外はほとんどC管だけで演奏すると仰っていました。私から『さまよえるオランダ人』の2ndに出てくる実音のFisもC管で演奏しますかと尋ねたところ、Singer氏はC管で演奏すると答えられました。
実際にB管で演奏する箇所と指定されたところ挙げてみたいと思います。
@ レオノーレ序曲 2,3番に出てくるバンダのファンファーレ
A オペラ『カルメン』 の舞台上で吹くA-durのファンファーレ
B 交響詩『英雄の生涯』 in Es の1,2番
C オペラ『ドン・パスクワーレ』より第2幕 第3場 ソロ
D オペラ『仮面舞踏会』より第3幕 in E のソロ
E オペラ『リゴレット』より冒頭の in C のソロ
このほかにも非常に細かい箇所があるのですがそれはあまり上演される機会が日本ではない曲なのでここではあえて挙げません。また、上記の曲でもBなどは、B・C管を持ち替えて吹くウィーン・フィル奏者もいますから厳密なものではありません。前に述べましたが、最低音がF,E,Esがある曲は上の@〜Eには載せていません。
日本のプロのプレイヤーも比較的C管を良く使いますから、ウィーンの扱い方と似ているように思います。このように例を挙げましたが、あくまでも自分にとって一番安定して演奏できる楽器を曲に応じて選択することが大事です。演奏している環境によってピッチなどもそれぞれ微妙に違うわけですから、柔軟に楽器の選択をしていただきたいと思います。
B管、C管どちらがよいかわからない曲が具体的にありましたら、メールにてご連絡下さい。
D管、Es管、ピッコロトランペットの
ロータリーとピストンとの違いは何?
この数年、日本でもロータリートランペットのD,Es管,ピッコロを多く見かけるようになりました。オークションサイトでも頻繁に出品されていますし、所有者が増えてきたことは間違いありません。
ピッコロトランペットに関しては、モーリスアンドレ、ハーデンベルガーなど世界の一流ソリストがロータリートランペットを使用しているため人気があります。
では特殊管のピストンとロータリーでの違いはどこにあるのでしょうか?
ロータリートランペットとピストントランペットでの皆さん感じる漠然とした音色の違いはその柔らかさ・音の太さにあると思います。B・C管ではその柔らかさからオーケストラでの他の楽器と溶け込みやすく演奏できると感じている方は多いはずです。特殊管でもこの傾向は変わりません。華やかなピストンの音色とは違うロータリートランペットの柔らかさがバロック音楽をはじめとする小編成・弦楽器中心のオーケストラ作品に合います。そのためロータリートランペットの特殊管を好む方が多いようです。
この特徴からソリストは弦楽器などと合わせやすいロータリーのピッコロトランペットを、オーケストラ奏者は“ボレロ” “春の祭典”などの大曲でもはっきりと聞こえるために華やかな明るい音色を持つピストンを使っています。なんとなくみなさんが持つイメージとは逆な使われ方をしている点が興味深い点です。
実際にD管のベルでその違いを比較して見ましょう。

上側がピストン、下側がロータリー
上の写真で見てお分かりのとおり、ロータリートランペットのベルの方がはるかに開きが大きいため、音色がより太く柔らかくなることがお分かりいただけると思います。これはD管だけでなく他の管でも同じです。ピストンのD管はバロック作品の3番パートを受け持つことを前提に1・2番のピッコロトランペットの音色に近くするためにベルの開きを小さく作られています。
ロータリートランペットでもベルをピストンのように細くすれば音色は明るくなりますが、音程バランスが非常に悪くなります。逆の場合も同じです。これはマウスパイプ・ベルのテーパーとその長さの比重から生まれるものです。また、ロータリーの多く場合はオーケストラの中で1番奏者がin
Dの曲を吹くときにより純正律の響き・音程を求めるため出来る限りC管の音色を求めます。その要求にMeisterが応じて製作していますから音色の違いがあるのは当然といえば当然かもしれません。
当店ではロータリートランペットのピッコロトランペットでオーケストラ向きな華やかな音色の楽器を求める方には、Lechnerをお薦めします。上記の特徴を活かした楽器であればWeber、Willenberg、Scherzer、などのメーカーをお薦めします。
Es,D管のオーケストラ向きはWeberを、オーケストラだけではなくアンサンブルなども含めたオールマイティに演奏やすい楽器としてWillenberg、Lechnerをお薦めしています。
今回のテーマは主にストレートミュートについてです。皆さんはミュートについてロータリー・ピストンに関係なくどのように選んでいらっしゃるでしょうか?様々な基準があると思いますが、
@ 音程がミュートの付け外しに関係なくほぼ一定であるもの
A 低音域で鳴らしやすいもの、また、逆に高音域が出しやすいもの
B 音の強弱(時に小さい音量)によって吹きやすいもの
C 曲の場面によって音色に変化が付くもの
その他にもあると思いますがこの4つについてご説明したいと思います。
@は非常に大事な要素でマーラーの交響曲などのようにミュートの付け外しを頻繁に行わなければいけない場合に準備しておかなければいけないミュートです。この点でみなさんはコルク厚さによって音程が調整できることをご存知でしょうか?

| 左の写真ではロータリー用に厚くしたものを取り付けてあります。ミュート自体は“ヴァッキャーノ”の名前で皆さんよくご存知のストレートミュートです。コルクは私(店長)自身が厚く切って作成したものです。 ロータリートランペットのベルはほとんどがピストンのものより大きいためミュートが入りすぎてしまいます。ミュートが入りすぎるとピッチが上ずる傾向になります。 |
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| 左の写真は上がコルクを厚くして調整したミュート、下が買ってきたままの新しいミュートをそれぞれ同じ楽器に付けた状態で撮影したものです。少し分かりにくいのですが、上の写真のミュートは下のものより4mmほど外側に出ています。 これによって付け外しが早い曲でもチューニング管でピッチを補正する必要がありません。 実際にウィーン・フィルのメンバーはヴァッキャーノのミュートを頻繁に使っていますが市販のものにコルクを厚くしたものを付け替えて使用しています。 |

| 左のミュートはナチュラルトランペット用のミュートです。これを普通の楽器に 付けてみた場合にはどのようになるでしょうか? |

| 実際に付けてみるとピッチがおよそ短3度ほど上がります。C管の楽器に入れた今回のような場合はEs管になります。少し掴みにくい音程ですが少しこもってはいますがゲシュトップのような音色になり、普段のストレートミュートと違った変化のある表現が出来ます。また、このミュートはかなり深く入りますので上で述べたようにミュートが入りすぎると音程が上がる傾向と同じです。 |
Aはご自分の楽器と組み合わせでいろいろ探してみてはいかがでしょうか?低音域などで金属的なミュートらしい音色が出るものをお薦めしています(店長お奨め Denis
Wick)。高音域では息の抜けが良いものを探してみてください。(ヴァッキャーノ)
Bはバンダをオーケストラの中で吹かなければいけない場合や、編成の小さい場合に息を普通に入れても音量が出ないものがお薦めです。Chemnitzer社製のものはまさにこの目的で適しています。
CはABの応用です。フォルテでも金属的な音色が欲しい曲もあればソフトな音色が欲しい曲もあります。ピアノでも同じことが言えます。
このテーマはロータリーだけに限らず金管楽器全般に当てはまることだと言えます。一つのミュートですべて演奏ことも出来ますが、同じストレートミュートでもいろいろな準備することによって様々な変化に富んだ演奏が可能です。また、お手持ちのミュートも自分の楽器のベルに合わせることによってさらにミュートの効果を発揮することが出来ます。まずは、ご自分のミュートを研究しなおしてみてはいかがでしょうか?